【2025年最新】蓄電池の価格相場は?今後の値下がり予測と補助金・選び方を解説

近年、再生可能エネルギーの普及に伴い、蓄電池の需要が高まっています。特に太陽光発電と組み合わせることで、電気代の節約や停電対策に有効です。
しかし、蓄電池の価格は容量やメーカーによって大きく異なるため、自身のニーズに合わせた導入プランを検討しなければいけません。
このコラムでは、2025年の蓄電池の価格相場を解説し、今後の値下がり予測や補助金情報、選び方について詳しく紹介します。賢く蓄電池を導入するための参考にしてください。
家庭用蓄電池の価格相場はいくら?最新データを紹介

2025年時点の蓄電池の価格相場は、蓄電容量によって異なります。ここでは、容量別の平均価格やメーカーごとの違いを解説します。
家庭用蓄電池の平均価格と容量別相場
家庭用蓄電池の価格は、主に蓄電容量(kWh)によって決まります。2025年の相場は以下のとおりです。
蓄電容量(kWh) | 相場 |
---|---|
5kWh未満(小規模家庭向け) | 約70万~100万円 |
5kWh〜10kWh(一般家庭向け) | 約100万~140万円 |
10kWh以上(大容量・ZEH(Net Zero Energy House)住宅向け) | 約130万~200万円1kWhあたり平均14万円 |
一般的に、大容量モデルほど1kWhあたりの単価は下がるものの、初期費用は高くなります。そのため、自宅の電力使用量やライフスタイルに合った適切な容量を選ぶことが重要です。
例えば、電気代の節約のために蓄電池を使いたいという場合は、毎日の消費電力から必要な容量を決定することになります。
もし電気自動車などの充電も考えているのなら、その分の消費電力を上乗せして容量を選択する必要があるでしょう。
このように電力を何に使いたいかを具体的に想定し、最適な蓄電池を選びましょう。
メーカー別の価格比較と特徴
蓄電池はメーカーによって価格や性能が異なります。以下は主なメーカーとその特徴です。
メーカー | 平均価格 | 特徴 | 商品例 |
---|---|---|---|
長州産業 | 9.8kWhで約185万円 | 高効率なハイブリッド型蓄電池 | スマートPVマルチ |
オムロン | 9.8kWhで約180万円 | コンパクトでありながら高い充放電効率が強み | マルチ蓄電プラットフォーム (KPBP-A) |
ニチコン | 11.1kWhで約160万円 | V2H(Vehicle to Home)対応モデルがあり、電気自動車との連系も可能 | 蓄電システム(ESS-U4M1) |
京セラ | 11.0kWhで約218万円 | 長寿命を誇る次世代型蓄電システム | Enerezza Plus(エネレッツァ プラス) |
Qセルズ | 9.7kWhで約150万円 | 独自のセル技術で高出力を叶える | QREADY® 蓄電池ユニット |
パナソニック | 10kWhで約180万円 | 高品質・高耐久で保証が手厚い | 住宅用蓄電システム「蓄電池ユニット」 |
DMM.make solar | 10kWhで約180万円 | スマートなハイブリッド蓄電システム | ハイブリッド蓄電システム |
ダイヤゼブラ | 7.04kWhで約180万円 | 大容量で長寿命のハイブリッドモデル | 蓄電ハイブリッドシステムEIBS7 |
ファーウェイ | 10kWhで約185万円 | 柔軟な拡張性と高い安全性を備える | スマートストリング蓄電システム LUNA2000シリーズ |
カナディアンソーラー | 9.9 kWh約190万円 | 全負荷対応で停電時も安心な蓄電システム | ハイブリッド蓄電システム「EP Cube」 |
テスラ | 13.5kWhで約150万円 | 大容量・低価格で海外でも人気 | テスラPowerwall |
導入コストと運用コストの違い
蓄電池の費用には、次のような購入時の「導入コスト」と、維持管理にかかる「運用コスト」があります。
蓄電池の費用 | 詳細 |
---|---|
導入コスト | 本体価格+工事費(約20万~30万円) |
運用コスト | 定期メンテナンス費(約2万~10万円)※年に1回程度パワーコンディショナー交換費(約10万~65万円)※15〜20年毎 |
なお、各蓄電池の商品には10〜20年程度のメーカー保証が付いていることが一般的なため、期間内なら無償でメンテナンスを受けられます。
蓄電池の導入は本体価格だけではなく、長期間のコストを考慮し、保証期間やメンテナンス費用も含めて比較することが重要です。
蓄電池の価格を左右する主な要因とは

蓄電池の価格は、次の要因によっても変動します。変動要素を理解しておくと、蓄電池の適正価格が見えてきます。
蓄電容量(kWh)と価格の関係
蓄電容量が大きくなるほど価格は上がりますが、1kWhあたりの単価は下がる傾向にあります。
例えば、小容量モデルは1kWhあたりのコストが割高になりやすいのに対し、大容量モデルはコストパフォーマンスが向上します。
しかし、必要以上に大きな容量を選ぶと初期費用が高くなり、費用回収に時間がかかるため、注意が必要です。
したがって、家庭の電力消費量や使用目的を考慮し、無駄のない容量を選ぶことが重要になってきます。
リチウムイオンなどの蓄電池の種類と価格差
蓄電池にはさまざまな種類があり、それぞれの特性によって価格に違いがあります。現在、流通している代表的な蓄電池の種類は、次の4つです。
- リチウムイオン電池
- 鉛蓄電池
- ニッケル水素電池
- 全固体電池
それぞれの蓄電池の特徴と価格差について見てみましょう。
リチウムイオン電池
リチウムイオン電池は、現在最も広く利用されている蓄電池のひとつです。軽量で高エネルギーかつ長寿命であることが特徴です。
価格は比較的高めですが、性能と寿命のバランスが良くコストパフォーマンスに優れています。一般的な家庭用のリチウムイオン電池の価格は、1kWhあたり13万円〜30万円程度です。
鉛蓄電池
鉛蓄電池は、長年にわたって使用されてきた蓄電池の一種です。大電流を扱える点がメリットですが、重量が重く寿命が短いという欠点があります。
鉛蓄電池の価格は比較的安価で、1kWhあたり5万円〜10万円程度です。しかし、交換頻度が高いため、長期的なコストではリチウムイオン電池よりも割高になる場合があります。
ニッケル水素電池
ニッケル水素電池は、かつて充電池として広く使われていました。現在はリチウムイオン電池に置き換わりつつありますが、安全性が高くリサイクルしやすいメリットがあります。
価格はリチウムイオン電池よりやや安価で、1kWhあたり7万円〜15万円程度です。ただし、エネルギー密度が低いため、大容量の蓄電用途にはあまり向いていません。
全固体電池
全固体電池は、次世代の蓄電池として注目されています。液体の電解質を使用しないため、安全性が高いのが特徴です。
高エネルギー密度を実現でき、将来的にはさまざまな機器で利用される可能性があります。
しかし、現在は技術開発の途中で商品数も少なく、価格も高価です。試験的な製品では1kWhあたり数十万円以上するものもあり、今後の技術革新で価格が下がることが期待されています。
設置方法や工事費の影響
蓄電池は屋内と屋外のどちらに設置するかでも費用が変わります。屋内は天候や気温の影響を受けにくく、蓄電池の劣化を抑えられますが、スペースの確保や換気対策が必要です。
一方、屋外設置は室内スペースを取らずに済みますが、防水・防塵対策が求められ、設置環境によっては基礎工事の費用が発生することもあります。
どちらの方法も工事内容によってコストが異なるため、事前に確認し最適な設置場所を選びましょう。
電力会社や自治体の支援制度の影響
蓄電池の導入コストは国や自治体、電力会社が提供する補助金によって大きく変わります。
特に再生可能エネルギーの普及を推進する自治体では、設置費用の一部を補助する制度があり、条件を満たせば数十万円の補助を受けられる場合もあります。
また、電力会社によっては特定のプラン契約で設置費用を割引できるケースもあります。初期費用の負担を軽減できるため、上手く活用してください。
蓄電池の価格は今後値下がりする?2025年最新の市場動向

蓄電池の価格は、今後さらに下がる可能性があります。その理由を市場動向から解説します。
製造技術の進化によるコストダウン
蓄電池の価格は、製造技術の進化によって今後下がる可能性があります。特に材料の効率的な活用や生産プロセスの自動化が進むことで、製造コストの削減が期待されています。
また、全固体電池などの次世代技術が実用化されれば、耐久性や安全性の向上とともに長期的なコストパフォーマンスも向上するでしょう。
実用化されれば需要も拡大するため、今よりさらに手頃な価格で導入できる可能性もあります。
政府のエネルギー政策と市場の影響
世界中で環境保全の意識は年々高まり、各方面で取り組みが進められています。日本でも脱炭素社会の実現を目指し、再生可能エネルギーの普及を推進しており、蓄電池の導入を支援する補助金制度を積極的に展開しています。
また、世界的なエネルギー需要の高まりにより、各国で大規模な生産投資が進んでおり、技術革新や量産化によって製品単価が下がることが期待されています。
※引用:経済産業省資源エネルギー庁「再生可能エネルギーの歴史と未来」
海外メーカーの参入と価格競争

近年、海外メーカーの蓄電池市場への参入が進み、競争が激化しています。
特に、中国や欧州の大手企業は、大規模な生産体制を活かし、低コストで高性能な製品を提供しており、日本市場にも影響を与えています。
また、欧米のメーカーも次世代技術を活用した蓄電池を開発しており、選択肢が増えることで価格の引き下げが期待されます。
2025年最新!家庭用蓄電池と太陽光発電で活用できる補助金と注意点

太陽光発電や蓄電池の導入では、補助金を使うことができます。
また、国や地方自治体では、再生可能エネルギーの普及を促進するため、セット導入に対する補助制度を設けており、活用すればコストを大幅に削減することが可能です。
ここでは、2025年最新の家庭用蓄電池と太陽光発電で活用できる補助金と注意点をご紹介します。導入の際は利用できるものがないか、ぜひ事前にご確認ください。
1. 国の蓄電池導入補助金
国は電力の安定供給を目的に、蓄電池を活用したDR補助金制度を実施しています。この制度は、電力需要が高まる時間帯に蓄電池から電力を供給し、電力負荷を分散することを促すためのものです。
主な適用条件 | 一定の容量を備えた蓄電池の設置エネルギーマネジメントシステム(HEMS(Home Energy Management System))との連携など |
補助金額の目安 | 1kWhあたり最大3万円(工事代の1/3まで)※補助上限額は最大60万円 |
なお、補助額や申請条件は毎年見直されているため、制度を既にご存知の方も最新情報を確認してください。
※参考:一般社団法人環境共創イニシアチブ「令和5年度補正 家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業」
2. 地方自治体の補助金制度
各自治体でも、独自の補助金制度を実施しています。
2025年度の補助金制度はまだ発表されていないですが、東京都、神奈川県、大阪府などでは昨年に引き続き制度を利用できる可能性があります。
例えば2024年度まで次のような補助金がありました。
都道府県 | 主な適用条件 | 補助金額の目安 |
---|---|---|
東京都 | 東京都内に居住または事業所を有する個人または法人新築・既存住宅を問わず住宅に太陽光発電または蓄電池を設置する方など | 太陽光発電システム:1kWhあたり約12万円(上限60万円)蓄電池:1kWhあたり約15万~19万円(上限150万円) |
愛知県 | 愛知県内に居住または事業所を有する個人または法人など | 蓄電池:1kWhあたり15万円(上限8kWh) |
補助金の金額や条件は自治体ごとに異なるため、お住まいの地域の公式サイトで確認してください。
※参考;クール・ネット東京「令和6年度 家庭における蓄電池導入促進事業 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」
※参考:愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金(市町村との協調補助) – 愛知県
3. ZEH(Net Zero Energy House)向け補助金
ZEHとは、エネルギー消費を実質ゼロにする住宅のことです。ZEH認定を受けた新築住宅に太陽光発電と蓄電池を導入すると、補助金が受けられます。
こちらも令和7年度(2025年度)の発表はまだありませんが、国は2030年までに太陽光発電がある新築住宅を増やす意向があるため、引き続き補助制度は続くことが予想されます。
主な適用条件 | ZEH基準を満たす新築住宅など |
補助金額の目安 | 住宅:最大100万円太陽光発電:最大100万円蓄電池:最大20万円 |
ZEH認定を受けるためには、高性能断熱材やHEMSなどの導入も必要となるため、設計段階での計画が重要です。
なお、補助金はハウスメーカーや施工業者と連携して申請する必要があるため、注意してください。
ジャパンライフアシストでは、補助金の申請代行もおこなっているため、太陽光発電と蓄電池の導入を検討している方はお気軽にお問い合わせください!
※参考:一般社団法人 環境共創イニシアチブ「令和6年度ZEH補助金」
4. 電力会社の導入支援プログラム
一部の電力会社では、太陽光発電と蓄電池を導入する家庭に対し、特別な割引プランや補助金を提供しています。
例えば、関西電力の「はぴeセット ソラレジ」は一定量の電気と太陽光発電設備の機器リースをセットにした新築向けの導入プログラムです。
燃料価格の変動に左右されずに定額料金で提供可能で、太陽光発電設備も初期費用なしでリースすることができます。
加えて、電気料金の割引なども期待できるため、活用することで太陽光発電や蓄電池をお得に導入することが可能です。
※参考:関西電力「はぴeセット ソラレジ」
補助金を活用するための注意点
補助金を申請する際は、次の点に注意が必要です。
- 補助金は予算が限定的で早い者勝ちの場合が多い
- 申請前に対象機器や施工業者が適用条件を満たしているか確認が必要
- 補助金の受給後に一定期間売電契約の継続を条件とする場合がある
補助金の申請期限や詳細な条件は、国や自治体の公式サイトで随時更新されるため、最新情報を確認しましょう。
後悔しないための蓄電池の選び方と比較ポイント

蓄電池は決して安い買い物ではないため、導入時にしっかりと目的にあった製品を比較検討することが重要です。
ここでは、蓄電容量の計算方法や性能比較のポイント、停電時の活用方法、保証内容について詳しく解説します。
必要な蓄電容量の計算方法
家庭用蓄電池を選ぶ際にまず考えなければならないのが「どのくらいの容量が必要か?」という点です。
蓄電容量(kWh)が不足すると十分に電力を賄えず、逆に大きすぎるとコストが無駄になります。
一般的な家庭の電力消費量と適正な蓄電池容量の目安 |
---|
1〜2人暮らし(1日約5〜7kWh消費):5〜7kWh 3〜4人家庭(1日約10kWh消費):8〜12kWh 5人以上・オール電化住宅(1日約15kWh消費):12〜15kWh以上の大容量モデル |
また、「どのくらいの時間、電力を供給したいか」によっても必要な容量は変わります。
例えば、夜間の電力を補うなら5kWh程度で十分ですが、長時間の停電対策を考えるなら10kWh以上が望ましいでしょう。
充放電効率やサイクル寿命の比較
蓄電池の性能を判断する重要なポイントが、充放電効率とサイクル寿命です。
これらが低いと、蓄えた電気を効率よく使えなかったり、短期間で寿命を迎えたりするため、注意が必要です。
充放電効率とは?
充放電効率は、蓄電した電力をどれだけ無駄なく使えるかを示します。一般的に80%〜95%の範囲が多く、効率が高いほどロスが少なく、経済的です。
- 高効率モデル(90%〜):エネルギーロスが少なく、長期間の使用に向いている
- 標準モデル(80%〜90%):一般家庭向けで、コストと性能のバランスが良い
サイクル寿命とは?
サイクル寿命とは、充電と放電を繰り返せる回数のことで、寿命が長いほど交換のコストを抑えられます。
- 標準的なリチウムイオン電池:6,000〜10,000サイクル(約10〜15年)
- 最新の全固体電池:15,000サイクル〜(普及すればさらに寿命が伸びる可能性)
寿命が短い蓄電池は、買い替えやメンテナンス費用がかかるため、できるだけ長寿命のモデルを選びましょう。
停電時の非常用電源機能の有無
災害時の停電対策として蓄電池を導入する場合、非常用電源機能があるかどうかを確認しましょう。
すべての蓄電池が停電時に使えるわけではなく、仕様によっては停電時に電力供給ができないものもあります。
停電時の電源供給タイプは次の2つです。
- 自動切替タイプ: 停電時に自動で電源供給を開始
- 手動切替タイプ: 停電時に手動で設定が必要
また、どの家電にどれほど電力を供給できるかも認識しておく必要があります。
例えば5kWhクラスの蓄電池なら、冷蔵庫や照明、スマートフォンの充電など、比較的消費電力の小さい機器だけを稼働させるための最低限の電力を賄うイメージになります。もしエアコンや電子レンジも停電時に使いたいなら、10kWh以上の大容量モデルを選ぶ必要があるでしょう。
保証期間とメーカーサポートの充実度
蓄電池は高価な設備のため、保証期間やメーカーのサポート内容が充実しているかを重視することも大切です。
保証の種類 | 内容 | 保証期間の目安 |
---|---|---|
製品保証 | 本体の故障に対する保証 | 5〜15年 |
容量保証 | 一定の容量を維持する保証 | 10〜15年 |
施工保証 | 設置工事に関する保証 | 1〜10年 |
なお、主要メーカーの保証例は次のようなものがあります。
- パナソニック:10年製品・容量保証(無償)/15年製品・容量保証(有償)
- シャープ:10年製品・容量保証(無償)/15年製品・容量保証(有償)
保証が長いほど、将来的な修理費用の負担を軽減できます。また、メーカーが倒産した場合にサポートを受けられなくなるリスクも考慮し、実績のある企業を選ぶのがおすすめです。
まとめ

2025年の蓄電池市場は、価格の下落や補助金制度の充実により、導入しやすい環境が整いつつあります。特にDR補助金制度を活用すれば、最大60万円の支援を受けられるため、コストを抑えながら導入可能です。
また、選び方のポイントとしては、家庭の電力使用量に適した容量を選ぶこと、保証期間やメンテナンス費用を考慮することが重要です。今後の市場動向を踏まえ、最適な蓄電池を選んで賢く活用しましょう。
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